light&shadow

光と影の写真

孤高のカメラMerrill

SIGMAの孤高のカメラDP Merrill。
先に言っておく、現在僕の手元にこのカメラは無い。
今でも、もう一度買い直そうかと思うことがある。
なぜこれほどSIGMAのDP Merrillに惹かれてしまうのか…。

満開の桜。
昨今のデジタルカメラに比べると白トビは、シビアである。

真っ赤なポピー。
細かい描写はMerrillの得意とするところ。
FOVEONセンサーの圧倒的な解像感を堪能できる。

夕暮れの東京タワー。
DP Merrillはとにかく手ぶれしやすい。
こういった光量の少ない場面では三脚が必須。

帝釈堂の木彫。
木の質感や風合いまで感じられるほどしっかり描写されている。
物質のテクスチャの表現は他のカメラと比較にならないほど素晴らしい。

豪徳寺の猫達。
猫に付着した細かな汚れまではっきりわかる。

青空の下の鯉のぼり。
色の再現性は気難しいと感じる。
特に緑色が強く反映されることが多い気がする。
素直な青空にならいないのだ。

つつじが岡公園のつつじ。
目が痛くなるほど。

塩船観音寺のつつじ。
一面に咲き誇るつつじが素晴らしい。

羊山公園の芝桜。
遠くに見える武甲山の斜面の凹凸もはっきり見える。

根津神社のつつじ。
レンズは、F2.8の明るさのため手前が少しぼけてしまっている。

昭和記念公園の巨木。
これを撮った後に現像した時とても驚いた。
他の一眼カメラで撮った描写と違い葉っぱの一枚一枚までびしっと描写されているからだ。

水目に散った桜の花びら。
上でも述べた通り花や葉、木、物質などの細かい描写は圧倒的だ。

新宿の高層ビル。
DP Merrillはビルのような無機物の撮影にもむいていると思う。

水面の艶っぽいかんじや夕日の反射もよく写っている。

APS-CセンサーのF2.8のためフルサイズに比べるとそれほどボケない。

神代植物園のバラ。
青空の緑かぶりが気になる。

築地市場
こういった風景は解像度の高いMerrillの魅力が際立つ。

KITTEのホワイトツリー。
ツリーのにつもった雪の明暗もしっかり描写されている。

世界貿易センタービルの展望室から東京タワーの夜景。
ビル一つ一つ等倍で見ても驚くほど解像されている。

石造。
石のごつごつした質感が伝わってくる。

夜の噴水。
手ぶれ補正のある一眼カメラであれば手持ちで行ける場面だが、DP Merrillは三脚が必須。
この煩わしさはこのカメラを手放す要因の一つになってしまった。

新宿のCITIZENの時計台。
何でもない時計台ですら美しい。

都立桜ヶ丘公園 ゆうひの丘。
三脚でじっくり撮るスタイルが苦にならなければ、風景において渾身の1枚が撮れる。

秋葉原
DP MerrillにはDP1(28mm)、DP2(45mm)、DP3(75mm)と3つのモデルがある。
これはDP1RICOHのワイドコンバージョンレンズDW-6を付けて撮影したもの。
実質22mm相当の写真。
やはり解像度が落ちてしまうのは仕方のないところ。

逆光は弱い。
マゼンタ系のフレアや赤い点のようなものが出やすい。

電飾イルミネーション。
光点がしっかり描写されている。

こちらもイルミネーション。
色味は見た感じとは違ってしまった。

夜の東京駅。
DP Merrillはどのモデルも単焦点レンズ。 画角を足で調整できるのであれば問題はないが、場合によっては対象物に寄れない、引けないケースもある。 そういう場面では使えなくなるカメラとなってしまう。

新宿の繁華街。
DP Merrillはrawで撮影が必須。
現像で様々な調整が必要になるからだ。
しかいSIGMA Photo Pro(現像ソフト)の使い勝手が悪く、思うような仕上がりにならない。

秋の落葉。
日中だったが、日陰だったので少しぶれてしまった。
DPはどのモデルもグリップがなくフラットなので手の収まりはよろしくない。

秋桜
APS-Cでレンズ一体型のため最短撮影距離で撮ればそれなりにぼける。
この時はMerrillしか持っていかなかったがバッテリー持ちは悪い。
100枚ほど撮ったところでバッテリー切れとなった。

巾着田彼岸花
細かいディティールの花はMerrillが真価を発揮する。

高幡不動尊金剛寺五重塔
DP Merrillはiso400で明らかに画質劣化するため、100~200の間で撮影することがほとんど。
iso3200~6400まで普通に使用できる一眼カメラと比較すると利便性の違いに驚く。

DP Merrillの率直な感想として解像力だけで言えばフルサイズの高画素モデルに匹敵どころか凌駕さえしていると思う。
僕は、少なくとも他の一眼カメラでこの解像力を超える写真を見たことがないからだ。
解像度というこの1点の価値だけがMerrillの魅力だ。
各モデルの解像力はDP3 > DP2 >DP1だが、微々たる差だと思う。
それよりもレンズの焦点距離で自分にあったモデルを使うといいだろう。
DP1は広角を中心とする広大な風景を。
DP2は風景、スナップなど汎用的な使い方を。
DP3はマクロ、ポートレートなど被写体の一部分を切り取るのに最適。
ただ、現代の手軽なデジタルカメラに慣らされていると、あらゆる部分の使い勝手の悪さに辟易することも確かである。
それでも、今までの写真に興味がわいたのであれば、ぜひDP Merrillを手に取ってみることをおすすめする。